社会保険労務士業界の現状
強制加入保険が独占業務
社会保険労務士の強みといえば
何と言っても経営をしていくうえで必ず抱えることとなる
「労務関係の問題」及び、
国の保険である「年金・健康保険」を独占的に扱える
ところにある。
公的な保険などは、強制的に加入が義務づけられているので業務がなくなることはない。
だが、社会保険労務士という職業が一般にそれほど
浸透しているとは言い難いのが現状だと思うが、
こと士業者の間ではそんなことはない。
私なども、就業規則の作成などの依頼を受けることが
あるが問答無用で知り合いの社労士さんに振っている。
他の士業者からも「労務・公的保険の専門家」としてしっかり認識されている。
このような労務の専門家「社会保険労務士」であるが、
何と日本に約40,000人もいる。
もっとも、そのうちの18,000人程度は
「勤務登録(独立開業するのではなく何処かに勤める形で登録する)」
という社労士独特の登録形態をとっており、
実際に独立して事務所を持つ人は22,000人程度という計算になる。
この景気の低迷で顧客となる企業数は減少してはいる現状でも、
労働基準監督署からなどの仕事の斡旋などもある
ようなので、それほど仕事の取り合いになっているような市場ではないようだ。
また、社労士さんの事務所では「FP(ファイナンシャルプランナー)」や
「行政書士」「産業カウンセラー」などの、
他の専門家と提携していたり雇っている場合が他士業に比べて非常に多い印象
がある。
行政書士同様、非常に他の資格などとの相性がいい職種
といえる法律の仕事といえる。
特定社会保険労務士は今後どうなるか
社会保険労務士も他の士業同様“法人化”が可能となった。
これによって支店を設けることが可能となったし、
何より節税対策ができるのはありがたい。
そして、この士業で今後注目していきたいのは
「特定社会保険労務士」という制度だ。
特定社労士とは、社労士登録した後に一定の基準を満たすことに
よって得ることが可能となる資格で、これがあると「労働調停代理権」が付与される。
労働関係に限ってであるが、基本的に弁護士でしかできなかった
調停の代理人ができるということは凄いことなのだが、
この業務を行っている先生は数百人程度しかいない。
その理由は「現状では儲からない」からだという。
たとえ調停になっても、さっさと不調で終わらせて
通常訴訟に持ち込む例がほとんどなので、仕事にならないのだそうだ。
しかし、この労働調停制度そのものの歴史が浅く現在暗中模索中であり、
そもそも制度趣旨が「訴訟の数を減らして、調停で終わらそう」というものなので、
これから法改正などの措置が取られていけば
市場規模は爆発的に大きくなる可能性を秘めている。
この可能性を日々監視し、隙あらば参入しようとしている先生は多い。
資格を取って、実績を積むならば今のうちかもしれない。
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社会保険労務士の年収
社労士さんの年収については正直それほど詳しくはない、私の周りの社労士さんがかわすのがうまいのか、あまり具体的な年収を教えてくれないのだ。しかし、ほかのサイトなどで言われている平均年収などの情報はそれほど間違っていないようで300万円〜700万円といったところが多いようだ。
しかし、この仕事の特徴だろうか稼げると年と稼げない年の差が激しいという。その理由は「補助金申請の数」らしい。やはり、補助金申請という業務は「受任しやすく、成功報酬で大きく取れる」仕事なのだ。だから、国や役所などから補助金が多く出される年にはそれなりに売り上げも得られるが、そうでない年はそうでもないというのが現状のようだ。この補助金というのは国や自治体のやる気次第の部分が大きい、こちらではどうしようもないことだが、安定した収入を得るという面では工夫が必要なようだ。
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