司法書士業界の現状と平均年収

司法書士業界の実情と未来像

司法書士管轄法務省画像

登記業務は大手が独占

 

司法書士の代表的な業務と言えば
不動産や会社などの登記業務であるが、
この司法書士の独占業務であり
代表的な業務である登記業務は
ベテランの司法書士事務所が
独占しているのが現状のようだ。

 

このような登記業務は、銀行や信用金庫・組合
などからの依頼がほとんどを占めているが、
既存の金融機関にはまず間違いなく
地元の司法書士事務所が提携しており
金融機関側からワザワザひいきの
司法書士事務所を差し置いて
新人の司法書士に登記の依頼を
するようなことはないのである。

 

そして、昨今の不況の影響で
不動産登記の申請件数自体が減少傾向にある。
市場のパイが減っているのだ。

 

司法書士という法律資格を得たとしても、
登記一本でやっていくというのはあまり現実的ではなさそうだ。

 

 

簡易裁判所の代理権は持っていて当たり前

 

司法書士業界にとって簡易裁判所での
訴訟代理権の取得は大きな利益となっているのは間違いない。

 

当初は、この代理権を持っている司法書士は少数派であったが、
現在は”持っているのが当たり前”というような状況だ。

 

この代理権を使って大いに社会貢献していただきたいところだったが、
実際の現場では”弁護士のパシリ”としてしか機能していない様子である。

 

簡易裁判所での裁判は、その開始時に

 

「通常訴訟での審理を希望します」

 

と言われてしまうと5秒で終了してしまう。
この戦法を司法書士相手ならまず間違いなく
被告である貸金業者などは使ってくるのである。

 

時間稼ぎのためだ。

 

これをやられてしまうと司法書士はその案件に手を出すことができなくなる。

 

結局は、5秒裁判に出席するのが面倒な
弁護士のパシリとして利用されるだけの存在になってしまっているようだ。

 

 

それでも未来は明るい司法書士業界

 

それでも司法書士という職業は喰える法律資格業と言える。

 

強烈な員数制限を行っているため、
司法書士同士で市場の取り合いが起こらないようになっているのである。

 

司法書士試験というのは毎年1000人以下の合格者しか出ない狭き門である。
この合格率の低さが司法書士業界を支えている。

 

新人の頃は苦労するだろうが、
しっかりと地元で地盤固めをしていれば、
先輩司法書士の引退と同時に自分の仕事も
増えていくような構図が業界内で出来上がっているのである。

 

現状のような新規参入の壁が高い状態が続けば、
将来的な司法書士という職業の安定性は保たれ続けていくであろう。


司法書士の平均年収

 

司法書士の平均的な年収額は、
新人で200万程度5年以上の業務経験のある
中堅で500万程度といったところが相場の様だ。

 

よくパンフレットなどに書いてある

 

”司法書士の平均年収1000万”

 

等という数字は年収ではな年商であることが多い。

 

 

つまり、売り上げの金額が1000万程度はいけますよということであって、
経費などを差し引いた実際の手元に残る
収入額はそのうちの60%程度がいいところなのだ。

 

司法書士という業種は法律系資格の中でも
経費の嵩みやすい業種であるため、
どうしても売り上げの中から支出する経費が高くなってしまう。

 

 

又、依頼1本あたりの単価も1〜3万程度と安いため
どれだけ多くの依頼を効率よくこなせるかが収益アップのカギとなっている。

 

新人の頃は他の司法書士事務所に勤めるという道もあるが、
この場合多くの収入は望めない。

 

月収20万程度もらえれば御の字だ。

 

もっとも、お金をもらいながら修業できるのだから文句は言えまい。

 

 

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